鶏卵研コラム #008「卵殻膜の不思議な力 天然のばんそうこう」

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鶏卵研コラム

前回のコラムではボクシングのロッキーと鶏卵にまつわる話を配信しましたが、もう一つ別の視点からボクシングと鶏卵の話をご紹介いたします。

ゆで卵の殻をむいたときに現れる、薄くて透明な皮。それは「卵殻膜」です。普段は捨ててしまうこの膜、実は驚くべき力が秘められていることをご存じでしょうか。相撲の力士やプロボクサーが額に傷を負った際、その創部に卵殻膜を被せて治療する方法が知られています。400年以上前の中国の薬学書「本草網目」でも“天然のばんそうこう”と紹介されるほど、効果があったそうです。卵殻膜には殺菌作用のある酵素(リゾチーム)が付着しているので、創部を細菌感染から守るとか、卵殻膜にはコラーゲン様タンパク質が含まれているので、皮膚の修復に役立つとか、傷修復の効果が説明されていましたが、その科学的根拠は長年の間解明されていませんでした。

しかし近年、東京農工大学や杏林大学らの研究で、卵殻膜が傷の治癒に必要なⅢ型コラーゲンの遺伝子発現を促進することが確認されました。これにより皮膚の再生や傷の治癒を速める効果があると科学的に裏付けられたのです。さらに卵殻膜の力について様々な研究がなされており、今では美容や医療分野で注目を集めています。次回も引き続き卵殻膜の効果についてご紹介いたしますので、ぜひご覧ください。

【当該論文】
PubMed: Solubilized eggshell membrane supplies a type III collagen-rich elastic dermal papilla
URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30448901/