鶏卵研コラム #020「鶏には世界がどう見えている?」

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鶏卵研コラム

卵は白玉や赤玉、ヒヨコは黄色、トサカは赤色。私たちにはそう見えますが、当の鶏たちには「それは人間の勝手な見方だ」と言われるかもしれません。実は彼らの目には、私たちの想像を超える世界が映っているようです。

人は網膜に色や形を識別する視細胞として3種類の錐体細胞を有し、3色(赤・緑・青)型色覚によって約100万色を識別しています。一方、鶏は4種類の錐体細胞を有し、4色型色覚を備え、約1億色を識別しているそうです。4種類目の『VS錐体細胞』には最大吸収波長419nmのchicken violetと呼ばれる視覚色素が存在し、紫外線を感知することができます。すなわち、鶏の可視領域は約320nm〜700nmと人の可視領域の約380nm〜700nmより広く、特に波長の短い紫外線をより詳細に識別することができるようです。

つまり我々が「赤色」だと思っている鶏のトサカですが、鶏にとってはトサカに反射された紫外線をも識別し、我々には想像がつかない鮮やかで強烈な赤色に見えているはずです。確かに、鶏にとってのトサカの役割は体温調節と異性へのアピールや威嚇ですから、我々に見える赤より、鶏同士ではもっと情報量の多い赤ではないかと思われます。

【参考文献】
Nature: Impact of light spectrum electromagnetic radiation variations on performance and hormonal profiles in laying hens . Scientific Reports , 14:30250(2024)
URL: https://www.nature.com/articles/s41598-024-81480-1

ScienceDirect: The retinal basis of vision in chicken . Seminars in Cell & Developmental Biology , 106:106-115(2020)
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1084952119302368

ScienceDirect: Visual pigments and oil droplets from six classes of photoreceptor in the retinas of birds . Vision Research , 37:2183:2194(1997)
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0042698997000266