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卵を産んだ鶏の写真

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2025.08.31
所長コラム #2 「心そこになかりせば」

 「心そこになかりせば、みても見えず、探しても見えず」これは私が大学卒業後、18年間お世話になった太陽化学研究所の玄関の石碑に刻まれた言葉である。総合研究所の開設を記念して、当時の山崎長孝社長が研究所員に贈る言葉として記された。それ以来、私の座右の銘となっている。卵の研究者生活もかれこれ46年目になるが、何度か心の存在を感じる研究も経験した。研究とは考えて試して考える繰り返しである。そこに心を感じると、極たまに発明や発見に結びつく。そして、その成果の大小により、自己満足からノーベル賞までのレンジで喜びが広がる。大小いずれであっても、未知を既知にできたという達成感は研究者冥利に尽きる。

 さて、所長コラム第2回目で、「心そこになかりせば」を紹介するにあたり、探しても見えずだったか、探しても見つからずだったか、どちらであったか気になり、AIに尋ねてみた。その結果、どうやら儒教の礼記が出典らしく、「心そこに在らざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、喰ふども其の味知らず」と続くとのこと。さすがAI、心はないだろうが、知ってることはなんでも答えてくれる。結局、探しても見えずか、見つからずかは、わからずじまいで、さらに心して考えていると、太陽化学の玄関にある石碑を読めばいいと気がついた次第である。そしてGoogleで探してみると、高木伸一さんの「たまご博物館」に太陽化学訪問という記事を見つけた(http://takakis.la.coocan.jp/taiyou.htm)。そして、その中に総合研究所の写真があり、拡大してみると、「心そこになかりせば、みても見えず、探しても見えず」が正しかった(添付写真)。  

 この様にして、今回、座右の銘を正しく覚えていることを確認できたわけだが、覚えているだけではなく、これからも研究者であり続ける限りは実践していきたい。何事にも、何を為すにも、今、心はどこにあるのか?常に自問自答しながら、卵と鶏の研究であと一つや二つ成果を出して、自己満足でも大いに結構、少しでも養鶏業界のお役に立てれば本望です。

写真は太陽化学総合研究所と その玄関の石碑(たまご博物館 高木館長 撮影2001年7月13日)

「鶏と卵の研究所」所長 八田 一