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卵を産んだ鶏の写真

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2025.12.31
所長コラム #6 「新年、おめでとうございます」

 新年、明けましておめでとうございます。2026年、最初の所長コラムはもちろん卵と鶏の話題で始めます。なんと言っても、卵は昔から生命の象徴であり、鶏は朝の始まりを告げる明告鳥(あけつげどり)でもあります。今年も「たまご年賀状2026」を出しました。これで2005年から始めて21年目、前回のコラムと今回の添付写真(下図)に今までのたまご年賀状の図案をまとめましたので、ご覧ください。あと3年は続けて、ぐるぐるっと干支2回りを目指します。

 さて、お正月らしく卵と鶏でおめでたい話はないですか?とAIに投げかけると、イソップ童話の「金の卵を産む鶏の話」を紹介してくれました。金相場はこの5年間で爆上がりし、1トロイオンス(31.1035g)当たり1,561から4,083米ドルに2.6倍、日本円だと為替も手伝って、1グラム5,524から20,454円と3.7倍にも上昇中です。1羽でいいから金の卵を産む鶏が欲しいものです。ちなみに、童話では鶏が毎日1個、金の卵を産んでくれてお金待ちになった養鶏家が、もっとお金持ちになりたいと、鶏のお腹を開けて金塊を取り出そうとし、全てを失ったと言う、欲張りは身を滅ぼすというお話しです。

 金の卵といえば、2018年に京都で開催した国際エッグシンポジウムで、ご講演していただいた産総研大石勲先生のゲノム編集卵が1個3億円の価値がある金の卵でした。CRISPR-Cas9法のゲノム編集で卵白タンパク質の54%を占めるオボアルブミンの遺伝子座に「ヒトインターフェロンβ(hIFN-β)」の遺伝子を挿入(ノックイン)し、1個に30〜60 mgのhIFN-βを含む卵を産む鶏を作り出しました。hIFN-βはがんや多発性硬化症の治療薬で、当時の薬価換算で卵1個が3億円相当になるとのこと。その後、大石先生は億万長者になられた気配もなく、欲張らず、世のため人のために研究を継続中のようです。

 さて、我々「鶏と卵の研究所」は今年で開設5年目を迎えます。世のため人のため、養鶏業界のため養鶏家のため、鶏と卵に関わる諸問題の調査・研究を進めてきました。その結果、今年は今まで温めてきた「金の卵」がやっと孵りそうです。スマート養鶏に関して研究開発した技術を社会に提案できそうです。金の卵が金のヒヨコに孵って、金の鶏に育ち、またどこかで金の卵を産んでもらいたいと思います。みなさん、期待して、今しばらくお待ちください。

たまご年賀状の裏面写真(2017年から2026年)

2017年は卵白発酵調味液発売、2018年は国体たまごシンポジウム、2019年は拙著「エッグサイティングな卵の研究(上下巻)」刊行、2020年は京だし巻き卵の作り方研究、2021年は卵の気室のMRI断層写真、2022年は卵が生まれる方向の研究、2024年はCRC出版からEgg Science Handbook刊行、2025年はだし巻きと厚焼きの比較研究、2026年が鶏卵研HPの所長コラム紹介

「鶏と卵の研究所」所長 八田 一