鶏と卵の研究所|株式会社エヌ・ビー・エル

所長挨拶

養鶏業界と共に未来を作る研究機関をめざします。
日本の鶏と卵は、国民の食生活を支える重要な食材です。
卵の栄養・調理・健康機能に関する研究を極めて、ヒトの健康の維持・増進に役立つ研究開発を目指します。
また近年、鳥インフルエンザなどの感染症により養鶏産業が多大な被害を受けていますが、その感染経路を見極めたバイオセキュリテーの研究や鶏本来の免疫機能を活性化する飼育法や飼料の研究など、養鶏業界の未来に貢献する研究開発を目指します。
京都女子大学名誉教授
鶏と卵の研究所所⾧
理学博士 八田 一
「鶏と卵の研究で世界に貢献したい」

鶏と卵は宗教や文化に関係なく、世界中で食べられている動物性食品です。
特に卵にはヒヨコが生まれるのに必要十分な栄養素が含まれ、動物細胞を作るタンパク質や脂質が豊富で、我々の体細胞37兆個の恒常性維持にも理想的な栄養食品です。
しかも、その生産効率は動物性食品の中でも特筆すべきで、タンパク質1gの単価比較では、およそ鶏卵が3円、鶏肉が5円、牛乳6円、豚肉8円、牛肉20円と概算されています。さらに卵はいろんな食材と相性がよく、料理の多様性も動物性食品の中で一番だと思います。

現在、地球の人口は78億人、2050年には100億人に達する勢いで、特にアジアとアフリカで増え続けています。世界の穀物生産量は約28億トン、その半分を世界の人口の約20%を占める先進国が消費し、その60%が飼料に使われ動物性食品に変わります。国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の飢餓人口は約8億人で1日に4万人が亡くなり、その70%以上が子供達です。そんな中、先進国の約21億人が太り過ぎで、約6億人が肥満だそうです。

世界の食糧分配の偏りは経済格差や政治紛争、バイオエタノールと穀物相場問題、食品廃棄問題、地球温暖化や砂漠化といった環境問題にも原因があり極めて複雑です。将来、必ず押し寄せる食糧危機に備え、国連のSDGs運動の各項目も大切な取り組みですが、さらに直接取り組むべきは、動物性食品として飼料効率が優れる卵や鶏肉の生産と消費の拡大です。特に日本の卵の生産技術や衛生管理および調理加工技術は世界最高レベルで、まずはこれらの技術を日本から世界へ広めたいと思います。

所長 八田 一 経歴

1979年3月
大阪市立大学 理学部 生物学科 卒業
1979年4月
太陽化学(株)入社 総合研究所 研究員
1983年4月~1984年8月
京都大学食糧科学研究所 研究生
1984年9月~1985年12月
ブリッティシュ・コロンビア大学 研究生
1998年4月
京都女子大学 家政学部 食物栄養学科 助教授
2005年4月
京都女子大学 家政学部 食物栄養学科 教授
2022年4月
京都女子大学 地域連携研究センター 研究教授
2022年4月
鶏と卵の研究所 所長(現在に至る)
受賞:1994年4月 日本農芸化学会技術賞を受賞
「鶏卵抗体の大量生産および産業利用技術の開発」